ここ最近、ひとりでビールを飲むことが多くなった。

本気で整備士になりたかったらこんなに悩むことはないのだろうけど、
悩むってことは、
どうやら僕は、本気で整備士になりたいとは思ってないらしい。

タイヤ交換にしても、酸素ボトルの交換にしても、
あまりやりがいを感じない。
それでも僕は仕事だからと一生懸命作業を覚える。
だけど先輩は、作業はやりがいを感じてやるものだと言う。
やりがいを感じないやつに作業はさせないと言う。
仕事ってやりがいを感じないとできないものなんだろうか。
やりがいを感じないと整備士になれないのだろうか。

僕にはずっと思い描いている夢があり、
今でもそれは諦めてないわけで。
そんなことは言えるはずもなく、
先輩にはやりがいを感じているように見せないといけないわけで。
そのへんのギャップが今の僕にはつらいわけで。
2008.09.29 Mon l Dream l top ▲
きょうは「空の日」。
僕が働く空港でも、盛大にイベントが開催された。

僕もスタッフとして動員された。
生まれて初めて、空の日のイベントに参加。
妙に緊張した。
整備士の他にもパイロットやCA、グランドスタッフなど、
いろんな仕事に携わる人たちでイベントを運営した。
僕は整備士として参加。
つなぎを着た整備士がターミナルを歩いている姿は、
普段見ないだけに、かなり違和感がある。
人目を気にしてもしょうがないので、
一日を思い切り楽しむことにした。

イベントでは、体験搭乗や飛行機との綱引き、マーシャラー体験、
航空教室やスタンプラリーなどなど、
ちびっ子にとっては、楽しくてしょうがない一日だったに違いない。

僕はスタンプラリーを担当。
ちびっ子たちと遊んでいると、仕事していることを忘れるほど楽しかった。
子どもの笑顔は本当に不思議だ。
みんな心から飛行機が好きなんだなぁ、
といつかの純粋な気持ちを思い出した。

制服を試着しての記念撮影では、
どの子供もパイロットかCAの制服を選ぶ。
子供じゃなくても「写真とってもらえますか?」
とお願いされるのは整備士で、
写真に収まるのはパイロットかCA(泣)
やっぱり整備士は陰の存在なんだなぁ、と実感する。
でも時折、整備士のつなぎを選んでくれる子がいて、
そのときは凄く嬉しかった。
将来はぜひ飛行機に携わる仕事を選択肢に入れて、
夢に描いてほしいと思う。

空の日はちびっ子だけでなく、飛行機マニアにとっても楽しみな日。
一眼レフカメラを肩にかけた人たちが大勢いた。
整備士とは滅多に話す機会がないからと、
僕に話しかけてくれる方も何人かいた。
飛行機マニアだけあって僕ら整備士よりも詳しかったりする。
飛行機だけでなく、会社やダイヤの歴史まで教えてくれた。
会社の将来まで考えてくれる方もいた。
彼らと話して思ったことは、
僕ら以上に会社や飛行機を心から愛している、ということ。
飛行機を生きがいにしている人の想いは本当に熱い。

きょうは一日を楽しめたことはもちろんだけど、
お客さまがどんな思いで飛行機を見ているか、
どんな思いで飛行機に乗っているかを、
肌で感じることのできる一日だった。
その想いに応えられるように、また明日からがんばりたいと思った。
2008.09.20 Sat l Dream l top ▲
僕らはマーシャラーの資格も取る。
マーシャラーとはスポットで飛行機を誘導する人のこと。
着陸してスポットに入ってくる飛行機に対し、
「パドル」という棒を振って、飛行機を所定の位置に停止させる。
エンジン音と共に近づいてくる大きな飛行機は、迫力以外の何ものでもない。

停止線は機種ごとに決められている。
停止線から離れた位置で停めてしまうと、
燃料のポンプが届かなかったり、
PBB(飛行機とターミナルをつなぐ橋)が届かないことがある。
そうなると、トーイング作業が入って到着が遅れることになる。
技術と責任が求められる仕事だ。

また、ただ停止線に停めればOKというものでもない。
ブレーキショックのないようにゆっくり停めてあげないと、
お客さまも気分悪いし、飛行機にもあまりよくない。
しかも、パイロットによってスポットインしてくるスピードが違う。
それぞれのパイロットに合わせた誘導をする必要がある。

いろいろ奥が深い作業だけど、
あれだけ大きな飛行機が自分の誘導通りに動いて、
理想どおりに減速して、前輪がゆっくりと停止線に乗り、
ピタッと停まってくれるのは、かなりの快感だ。
2008.09.07 Sun l Dream l top ▲
だんだん涼しくなってきた。
最近は、クーラーをつけずに寝ることができる。
窓を開けて寝ていると、長野にいた頃を思い出す。

ちょうど1年前は、航大1次に合格したころくらいか。
自社養成パイロットと航大の航空身体検査に備えて、
夜な夜な走りにいっていた。
いま思えばあの頃が1番、夢にときめいていたのかもしれない。
お酒も飲まず、食事を気にして、目を癒して、睡眠時間を確保して。
友達からの誘いを断ったこともしばしば。
卒論に追われて、つらい時期だったけど楽しかった。
「パイロットになれるなら、何でもやってやる」
そういう覚悟だった。

1年後、いまの仕事は、あの頃には想像もしなかった仕事。
でもシップという職場は同じ。
シップサイドをまわって点検することも、
コックピットに座って作業することも、
安全性、定時制、快適性、目指すものも同じ。
将来的にはオブザーバーシートでフライトすることもある。
安全運航にはチームワークが必要で、
僕もそのチームの一員だということを、日々感じる。
それだけに、僕はこれで満足だ。
と考えてしまう。

でも一つ違うもの。
飛べるか、飛べないか。
飛ばせるか、飛ばせないか。
この違いは大きい。

もう一つ違うもの。
あの頃の覚悟をいま行動に移すことは、
この仕事をしている以上、いろんな意味で難しいこと。

「飛びたい、飛ばしたい」

仕事中は仕事に集中しているけど、
仕事が終われば湧き出てくる、この気持ち。
2008.08.24 Sun l Dream l top ▲
座学が終わり、現場に出て1ヵ月近くたった。

今年の夏も暑い。
直射日光とアスファルトからの照り返しで、
顔と腕はもう真っ黒だ。
軍手と腕時計のあとがクッキリ白い。
こんなに焼けたのは何年ぶりだろう。

一方、昼間のシップサイドでは、
僕らは常に熱中症になる危険性と闘っている。
1時間も水分を取らなければ、脱水症状になりそうだ。
今日は、頭痛がしてきてちょっと危なかった。
だから、出来るだけ無駄な汗はかきたくない。
その点で先輩は、
「ポカリは遠慮しないで飲んでいいよ」
「翼の下の日陰に入りなよ」
と優しくしてくれる。

勤務時間も、早番と遅番が不規則に入ってきた。
シフト勤の生活リズムにまだ慣れず。
体調管理をしっかりしよう。

今年の夏もあと少し。
2008.08.19 Tue l Dream l top ▲
「ずっと座学やってても気が滅入るだろ。現場に行ってみるか??」

ってことで、現場の見学に行かせてもらった。
到着から出発まで、作業の一連の流れを見学した。
その時間、わずか30分。
幸い不具合はなく、シップサイドをグルグルまわりながら、
先輩の作業を手伝ったり、グランドハンドリングの動きを見たり。

運航中の最高責任者は機長にある。
でも、飛行機が到着したらその権限は整備士に委ねられる。
加えて、地上での最高責任者も整備士となる。
グランドハンドリングも、整備士の許可のもとで作業を行う。
コミュニケーションがものすごく重要になる。

出発時刻になり、飛行機は定刻でブロックアウト。
滑走路に向かう飛行機に、僕は今日、初めて手を振った。
手を振っているときの整備士の思いが、少しだけ分かった気がした。
いつかは自分が整備した飛行機に手を振りたい、と心から思った。
2008.07.07 Mon l Dream l top ▲
3ヶ月間の基礎訓練が終了した。
整備に必要な基本知識、基本精神をガッツリ埋め込まれた。

厳しい、厳しい訓練だった。
思えばこの3ヶ月間、一度も褒められることはなかった。
何をするにしても教官に怒鳴られる。
毎週のように試験があり、休日にも勉強。
体力的にも精神的にも辛かった。
あんなに好きだった飛行機を、
もう見たくない、と思った時期も正直あった。
OJTでは本当にやめたい、と思うこともあった。

でも、こういうときこそ同期の存在は大きい。
自分たちに足りないもの、教官に叱られたこと、
みんなで考えて、みんなで厳しい訓練を乗り越えてきた。
同期をずっと大事にしていきたい、と心から思った。

来月からは配属先が異なるので、みんなバラバラ。
僕はいよいよ機種別の訓練に入る。
現場に出られるのはもう少しあと。
2008.06.28 Sat l Dream l top ▲
昨日は給料日。つまり初任給。

社会人になると学生のときよりも何かと控除が多かったりするから、
手取り額はそんなに期待していなかった。
とは言いつつも、やっぱり少しは期待していた。

いざ確認。
あれ?結構多い・・・。
期待していた金額よりも多かった。
こんなにもらっていいの?
っていうのが正直な気持ちだった。
今は訓練中だし、会社にとっては何の戦力でもないのに。

でもやっぱり嬉しいものは嬉しい。
僕も確実に社会の流れの中に乗っていることを実感した。
GWで実家に帰ったときに、家族に何かご馳走してあげよう。
2008.04.26 Sat l Dream l top ▲
整備の訓練が始まった。
訓練は辛いけど、
整備の勉強をしていると、
飛行機のことが鮮明に分かるから勉強は全然苦にならない。
でも一方で、僕はこのまま整備士になってもいいのか、
と毎日考えてしまう。

整備士になることが嫌なわけじゃない。
ただ・・・。
人生が2つあればいいのにな。

端から見れば、これも贅沢な悩みなんだろうな。
整備士になりたくてもなれなかった人がたくさんいるはず。
何か申し訳ないな。
でも僕は、僕らしい人生を生きたい、
と最近、心から強く思う。

いろいろ考えることはあるけど、現実から逃げたら負けだ。
学生時代の先輩が、僕に贈ってくれた言葉。

『下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ
 そうしたら、誰も君を下足番にはしておかぬ』(小林一三)

どんな仕事でも一生懸命やろう!!
一生懸命やっていれば、道は必ず拓ける。
2008.04.09 Wed l Dream l top ▲
きょう、僕の航大への夢が消えた。
第1種航空身体検査の基準を満たしていても、
航大に合格できるとは限らない。
その現実を、身をもって実感することができた。

でも1次の筆記試験に合格できたことは、
少なくとも自信につながったかな。
そして2次の航空身体検査で落ちたことも、
ムダではなかった、と思えるときが絶対あるはず。

航大への道は消えたけど、なぜかそんなに落ち込んではいない。
理由は道が1本に絞られたから。
逆にスッキリした気分。
でも、ちょっと風邪気味だったり・・・。
2007.11.13 Tue l Dream l top ▲